竜馬の妻とその夫と愛人

竜馬の妻とその夫と愛人」、木梨憲武鈴木京香中井貴一ほか出演、市川準監督、東宝博報堂、2002

舞台劇っぽい話だなと思って後で調べたら、実際にそうだった。三谷幸喜脚本なので、とにかく登場人物はしゃべりまくる。木梨憲武はこんなに芝居が上手な人だとは知らなかった。完全にダメ男で鈴木京香にほれているだけという役だが、このダメダメさが顔つきからただよっている。鈴木京香はいい女。すさんだ生活はしているが、啖呵は切るし、態度は鮮やか。昔を思ってほろっとしているところも絵になる。

中井貴一は、元海援隊士でいまでは軍人、鈴木京香を竜馬の法事に引っ張り出すためにおりょうのところにやってくるのだが、自分もおりょうに惚れている。こっちもかなりダメ男。最後の木梨憲武との会話が、竜馬暗殺にからんだオチになっていてそこはちょっと笑える。江口洋介おりょうの愛人で竜馬そっくりの男、ということになっているのだが、これも実はダメ男だったことがバレてくるという話になっている。このへんの芝居はややくどいかという気もする。

しかし、この話だったら、最初から三谷幸喜が監督をやってた方が・・・という気がする。市川準の演出は、ところどころ鼻について、コメディとしてはちょっとどうか。うーん。