チャーチル/大英帝国の嵐

チャーチル大英帝国の嵐」、アルバート・フィニー、ヴァネッサ・レッドグレーブほか出演、リチャード・ロンクレイン監督、イギリス、アメリカ、2002

1930年代、第二次大戦前「干されていた」時期のチャーチルの伝記映画。BBCとHBOが関わったテレビムービーらしい。

イギリスはすっかり平和ボケで、ナチス台頭の脅威をことさら煽るチャーチルは保守党内からも相手にされてない。家では妻(ヴァネッサ・レッドグレーブ)に対して威張っているが、妻の方もちょっと子供っぽいチャーチルをうまくいなしていて、この辺の呼吸は名優の掛け合いという感じ。

チャーチルは鬱々とした日々を、絵を描いたり、文章を書いたり、それから煉瓦積みをしてまぎらわせているのだが、あのチャーチルでさえ不遇の日々にはこれくらいしかすることがなかったのね。まあ名文家で、大部の本をいくつも書ける人だから、基本的にヒマであっても勤勉に過ごす人なのだろう。鬱状態の妙薬は規則正しい生活だなーと実感。

最後はいよいよ戦争が勃発し、海軍大臣として返り咲くところでおしまい。妻への演説めいた台詞がちょっとかわいい。チャーチル役のアルバート・フィニーは、演技もうまいがメイクでチャーチルそっくりになっている。この映画でゴールデングローブ賞エミー賞主演男優賞。