罪とか罰とか

「罪とか罰とか」、成海璃子、永山絢斗ほか出演、ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督、「罪とか罰とか」製作委員会、2009

成海璃子は売れてないアイドル。万引きを帳消しにしてもらうために一日警察署長になるが、その一日署長というのは、イベントのマスコットではなくて本物の「署長」の仕事だった、というような筋立てのコメディ。

キャストは他に、段田安典、犬山イヌコ、串田和美、奥菜恵ほか。ちょい役でもぜいたくに俳優を使っている。それぞれの場面に笑いのタネが仕込んであって、そこはけっこう笑える。まあ監督は「時効警察」も書いていたから、ちょっとそれを思い出したりする。早いテンポで話が進みギャグを連発して笑いをとっていくような話なので、見ているほうがテンション低いと話についていけなくなる感じ。自分としては、見終わってちょっと疲れた。

成海璃子はまじめな役を振られることが多かったから、こういう映画で芸域を広げられてよい機会だったのだろう。周りの役者のドタバタな芝居とはちょっと距離をとりながら存在感を出しているところは、将来の大器だと思う。NHKの「トップランナー」に出演した回を見たが、この若さで「全身これ女優」という感じの人。行く末が一番たのしみな役者。