「京」(ドキュメンタリー)、市川崑監督、イタリア、1969

市川崑の短編映画。最初はえんえんと禅寺の修行道場のことが映っていて、禅の宣伝映画?と思っていた。ほかにはちょっと舞妓が出てきたり、桂離宮とか、祇園祭とかそういうものが映っている。なんだか、いかにも「外人から見た京都」という感じの映画だなーと思っていたが、クレジットを見ると、脚本は谷川俊太郎、音楽は武満徹などなど豪華なメンバー。

ナレーションは芥川比呂志がやっているが、イタリア語版、英語版があるようだ。調べてみると、オリベッティ社が、世界の都市をその国のスタッフで撮るという企画を立てて製作したシリーズの1本らしい。とはいえ、いかにも外国人目線で、「こういうエキゾチックな町が京都なんですよ」という映画を見せられると、そこにいる人はちょっと鼻白む。だいたい禅の修行道場や桂離宮が京都を代表しているのか?せっかくちょっと昔の京都の町が見られるとあてにしていたが、そういう映画ではない。