妖しき従姉妹 ~テンダー・カズン~

「妖しき従姉妹 ~テンダー・カズン~」、ティエリー・テヴィーニ、アーニャ・シュートほか出演、デヴィッド・ハミルトン監督、フランス、西ドイツ、1980

デヴィッド・ハミルトンといえば、ソフト・フォーカスのヌード写真の人だが、映画も5本ほど撮っていて、そのひとつ。当然エロ映画。そういえば、むかしむかし「ビリティス」は見た。もっともストーリーはきれいさっぱり忘れてしまったが。

14歳の子供が年上の従姉にあこがれるが、従姉は別の男(こっちは大人)にばかり目が向いている。しかし子供の方は、メイドからモテモテで、入れ替わり立ち替わり誘惑されてやりほうだい。最後に従姉ともデキてしまうという話。設定は、1939年の夏休みのフランス(フランス語の映画である)ということになっていて、なんでそんなきな臭い時期に話を持ってくるのかと思ったが、これは、「戦争で男達がみんな出て行ってしまい、子供と女たちしか残らなくなったところで、子供は女たちを食い放題」というストーリーの材料だったのである。このパターンは、アポリネールの「若きドン・ジュアンの冒険」があったが、映画でもやっていたのだ。

写真や「ビリティス」と同じで、裸はみなソフト・フォーカスで撮影され、いかにもという雰囲気。セックスシーンの描写はほとんどなく、監督の興味が、「若い女の子のきれいなからだを撮る」ことに集中していることをうかがわせる。そういえば「ビリティス」もそんな映画だった。

主役の子供、ティエリー・テヴィーニは可愛いが、従姉役のアーニャ・シュートはそれほどには可愛くないのが残念。しかしヌードはきれい。