ミッドウェイ

「ミッドウェイ」、チャールトン・ヘストンヘンリー・フォンダほか出演、ジャック・スマイト監督、アメリカ、1976

これは確か映画館で見たはず。というのが、これも「センサラウンド方式」の映画だったから。飛行機のエンジン音、機銃や高角砲の発射音、爆発音その他、来るところでは劇場全体がガタガタ震動していた。あれにはアイマックスシアターの10倍くらい興奮した。

で、映画のほうだが、ミッドウェイ海戦の忠実な再現、というにしては細かいところに配慮が行き届いていない。戦闘シーンは新撮以外に、記録フィルムや「太平洋の嵐」の借用が相当入っている。それはいいとして、「われわれに残っているのは戦闘機6機と雷撃機10機だけだ」と言っている場面で、画面に映っているのが九九式艦爆だったり、日本側の空母がいるはずなのに画面に映っているのがアメリカ側の空母だったり・・・。空中戦の場面も遠景ばかりが多く迫力に欠ける。お金はかかっているはずなのだが、ヘストン様やヘンリー・フォンダほかのギャラに喰われてしまったのだろうか。

日本側の出演者は三船敏郎以外は全員日系人の役者ばかり。そして台詞は全部英語・・・。三船の台詞も吹き替えである。この部分は日本公開版では全部日本語吹き替えされていたのでよかったのだが、放送されたのは当然オリジナル版なのでショック大。

ストーリーでは、ヘストン様演じるガース大佐の親バカぶりが目立ちまくる。息子の日系人との結婚話なんかに首つっこんでる場合じゃないでしょ。もうすぐ大決戦だっていうのに。そもそもこの話にそんなエピソードが入る理由がわからない。日本人か日系人に遠慮しているつもり?

最後、ガース大佐は自ら爆撃機で出撃。あなた航空参謀だったのでは?そして記憶では「飛龍」に突っ込んで死んだと思っていたが、実際は穴だらけの飛行機で帰ってきて着艦に失敗して死亡。やっぱりアメリカ人には、どうせ死ぬなら敵艦を道連れにという発想はないらしい。