バルジ大作戦

バルジ大作戦」、ヘンリー・フォンダロバート・ショウほか出演、ケン・アナキン監督、アメリカ、1965

2週間ほど前、NHK BS2で、昼間にこれと「空軍大戦略」を流していたのをやっと見られた。2年前にDVDが出ていたわけですね。この映画ももう7回以上は見ていると思うが、いつもテレビの吹き替え版だったので、ほぼ完全版に近い(アマゾンのDVDだと169分となっているが、この版は約162分)ものを見たのははじめてだと思う。吹き替え版では、前半の、特に作戦が始まるまでの場面が集中的にカットされていることがよくわかった。

全編、戦車、戦車、戦車の映画。それはM-47だとか、M-24だとか、そういうことはもうあんまり気にならない。「なんとか戦車隊」「なんとか大戦車軍団」というタイトルの映画には一台とか数台しか出ていない戦車が数十台出てきて、森の中とか野原の上をガリガリ走りまくるのである。まあ砲撃で吹っ飛ぶところとかはけっこう模型だが。細かいツッコミは忘れて、心の中では「早く撃て、撃て」と画面に呼びかけたくなる、そういう映画だ。

ロバート・ショウのへスラー大佐はひたすらカッコイイ。性格的にキレてるところも含めて最高だ。みんなでパンツァーリートを歌う場面はあらゆる戦争映画の中で、一番美しい。この前、YouTubeでパンツァーリートを、ドイツ兵のコスプレをした韓国人が歌っている動画を見た。コスプレの服はバラバラ、発音もキレイじゃなかったけど、漢の志は十分に伝わってきたよ。この映画を見た人が考えることはみな同じである。自分も小学校の頃、パンツァーリートの場面は、テレビのスピーカーにカセットレコーダーを近づけて録音し、何度も聞いていたのだ。

あと、へスラー大佐が最期で変な叫び声を出したりしてない(吹き替え版の叫び声はほんとに情けないので、絶対カットしてほしい)ことが確認できた。映画のラスト、大平原に見渡す限りうち捨てられた戦車や車両を残して、兵が歩いてドイツに帰っていくところを空中から俯瞰で撮った場面の映像と音楽も感動モノである。当然DVDには落としたが、ジャケ欲しさで市販品のDVDを買ってしまうかもしれない・・・。