悪女(わる)

悪女(わる)」、石田ひかり渡辺満里奈布施博ほか出演、よみうりテレビ、キティフィルム、1992

これは本放送時に見ていた。何度か再放送されたはずだが、その際は見ておらず、今回ビデオで見た。原作コミックは未読。石田ひかりのテレビドラマ初主演作だが、演技に欠点がないなあ。渡辺満里奈倍賞美津子をはじめ、鶴田真由のような端役までみな役にきちんとはまっている。ストーリーも11回の放送で流れがうまく切り回されていて、一回もだれている回がない。しかも役者陣が今見ると高度なレベルで揃っていて、あめくみちことか、銀粉蝶とかマイナーな役をやっている役者も含めてよくここまで発掘してこられたなあと感心する。個人的には麻理鈴のあこがれの人が石橋保だというのはどうも納得いかないが。RABBITの主題歌は名曲だし、挿入歌、劇伴音楽も含めて印象に残る曲ばかり。また話の終わり方はいさぎよい。脚本、演出が高いレベルで揃っていて、今見ても傑作。本放送時も高視聴率だったはずだが、これだけ出来がよければ普通続編が作られるだろう。まあ話としてはこれで一応完結しているので、妙な続編などできなくてよかったのかもしれないが。
今考えてみると、この話、派遣社員の存在というものがテーマのひとつだったのだ。16年前のことだと考えれば、目の付け所も違っていたんだなあとあらためて思う。