空飛ぶゆうれい船

「空飛ぶゆうれい船」、野沢雅子、納谷悟郎ほか出演、池田宏演出、東映動画、1969

これもNHKBSの石ノ森章太郎特集から。見たのは何十年ぶりかわからないが、記憶は強烈に残っていて、あらためてこの映画が傑作だということを認識させられる。
記憶に残っているのは、ゴーレムと国防軍の戦闘、黒潮邸地下の秘密工場、カニやサソリその他のBOAのロボット、ロボットに溶かされる黒潮会長、ロボットがうろつく無人の街を乗員が溶けていなくなったまま走る戦車、BOAの基地に突入していくゆうれい船、最後のヨットに乗っている主人公、それからなんといってもBOAジュースのCMだ。
今見てみると、60分の尺なので台詞がやたら説明っぽいということ以外は、クオリティの高さに驚く。人や車を踏み潰して進む戦車、ゴーレムとゆうれい船の戦闘でのミサイルランチャーの描写、ミサイルの飛び方、機雷がゆうれい船にひっかかるところの描写、BOAの基地からゆうれい船に向けられる弾幕、劇場用映画とはいっても1969年にこれだけのことができているのだ。それに、BOAジュースのエピソードのアブナさやモロに左翼チックな構成を考えれば、地上波の民放局はこういうものの製作には関われないだろう。昔の人はすごかった…。