眠狂四郎殺法帖

「眠狂四郎殺法帖」、市川雷蔵、中村玉緒、城健三郎ほか出演、田中徳三監督、大映、1963

眠狂四郎ものの第一作。シリーズの何本かは見ているはずだが、これははじめて。一作目なので狂四郎の来歴その他について何か説明っぽい場面があるのかと思ったら、それは一切なし。狂四郎につきまとっている芸者とかの説明もなし。この頃眠狂四郎って、そんなに有名なキャラだったのか？
中村玉緒はかわいいが、妖艶さにはちょっと不足しているような。しかしもともとエロくない女優がこういう役で精一杯エロさを出そうとするのは、それはそれでいいもの。城健三郎は少林寺拳法の達人ということになっているが、江戸時代に少林寺拳法って言葉はあったのか？まあいいけど。最後は狂四郎の剣と少林寺拳法の対決。なんかそれってフェアじゃないんじゃないか、と思ったが、命のやり取りというより、城健三郎が狂四郎の剣を白刃取りできるかどうかという勝負なので（城健三郎は死なずに去っていく）これもいいことにしよう。いろんな役者がやっている狂四郎だが、やはり市川雷蔵の冷たくてドライな感じはいっとう抜きん出ている。市川雷蔵主演の12本は全部やるらしいので、しばらく見ることになりそう。