戦争責任と追悼

朝日新聞取材班『戦争責任と追悼』、朝日新聞社、2006

朝日新聞の連載「歴史と向き合う」のうち、戦争責任と追悼に関する部分を単行本化したもの。新聞の連載を一部書き換えて本にしたものなので、突っこみが浅いのはしかたないとはいえ、もうちょっとなんとかならないのかという気がする。戦争責任を扱った部分に対して追悼を扱った部分は扱いが非常に小さい。また、戦争責任といっても、どの部分を扱うかで書き方はずいぶん違うと思うが、かなりの部分が東京裁判についやされている。それはそれでいいとして、本の中で「法的責任と歴史的責任は違う」という意見をかなりの紙数をさいて紹介しているのだから、だったら「歴史的責任とはどういうものなのか」についてきちんとした文章を出すべきではないのか。朝日新聞自身の問題についても、浅い突っ込みしかしてないし・・・。連載は連載として、本にするのであればもっときちんとしたものにしなければいけないんじゃないの?