やさしい訴え

小川洋子『やさしい訴え』、文藝春秋、1996

夫の浮気がもとで家出して、別荘にこもってカリグラフィーの仕事をしている主人公が、近所に住んでいるチェンバロ職人とその弟子(女)と出会い、そのうち主人公と職人はデキてしまうのだが・・・、というような話。出てくる人物は感じ悪くはないし、ストーリーもねばねばしているわけではない。しかしどうにも口にあわない。主人公の心象がウェットな感じがするからだろうか。どうも微妙な感じ。小川洋子の小説はこれがはじめてだが、あと2,3冊読んでみてから、今後も読むかどうか決めようと思う。