ヴァイブレータ

ヴァイブレータ」、寺島しのぶ大森南朋主演、廣木隆一監督、「ヴァイブレータ」製作委員会、2003

廣木隆一寺島しのぶコンビの「やわらかい生活」がよかったので、このDVDを借りてきた。夜のコンビニでうろついていた30過ぎの女が、そこで出会ったトラックの運転手にフラフラとついていき、東京と新潟を往復するトラックの旅を共にする、という話。大森南朋が演じるトラック運転手の役柄にはちょっとひっかかりを感じるが、粗野であっても野卑な感じはない。トラックが雪の中をひたすら走っていく場面はとても気持ちいい。一番いいのは最後の場面で、東京でトラックを降り、また一人になった寺島しのぶが、「彼を食って、彼に食われた。それだけのことだった。あたしは、自分がいいものになったような気がした」という台詞を言う。セックスの場面や嘔吐する場面、それまでのいろんなことが最後に「いいもの」になった形で終わる。寺島しのぶの力が出た映画。