スモールトーク

絲山秋子『スモールトーク』、ニ玄社、2005

出版社でわかるように、車をネタにした連作小説。しかし、著者の小説にしてはいまいちおもしろくない。なぜだろう。車の描写にいまいち入り込めないからか?それに加えて、登場人物のキャラクターがいまいち立ってないことも原因。車のキャラで登場人物のキャラを染めようとしているのだが、いまいちすべっている気がする。小説より、コラムとして挿入されている著者の車についてのエッセイのほうがおもしろい。こっちで一冊つくってくれればよかったのに。最後に徳大寺有恒との対談がついている。が、これもちょっと微妙な出来。ここに出てくる車にほんとに入れ込んでいる人にはいいんだろうけどね。