世界史とヨーロッパ

岡崎勝世『世界史とヨーロッパ』、講談社現代新書、2003

ヨーロッパにおいて、それぞれの時代ごとに「世界史」がどう描かれていたのかを検討することを通じて、「世界史」の成立過程を追究する本。特にヨーロッパとアジアの区別のしかた、時代区分の分け方に注目して分析がなされている。

発見だったのは、「西暦」がいつから、どのように用いられ、現代のようなキリスト教と切れた形での単なる通し暦としての西暦の用例はいつごろから現れたのかということがだいたいわかったこと。また、「まず事実につく」という歴史学者の考え方がどういうコンテキストで出てきたのかということも、だいたい理解できた。ただし、本書の記述はだいたい19世紀あたりで終わっているので、その後の話も知りたいのだが・・・。