日本のいちばん長い日(1967)

「日本のいちばん長い日」、三船敏郎笠智衆ほか出演、岡本喜八監督、東宝、1967


ひさしぶりに見た。3時間近くある映画はけっこうつらい。しかし、これくらい迫力があればありだろう。

やはり圧倒的な迫力は、三船敏郎の阿南陸相。これと山村聡の米内海相のガンのつけあいをみられるのが、この映画のたのしいところ。鈴木貫太郎は、ちょうどよいところで割って入る、間の良さ。

あとは、近衛師団のクーデター。佐藤允やら何やら、悪そう。師団長は島田正吾。結局撃たれて死んじゃうわけだが、異様な迫力。東部軍司令官になっている石山健二郎もすごい迫力。いまは逆立ちしてもこれはできないだろう。高橋悦史とか、中丸忠雄とか、軍参謀は悪人だらけ。

昔のオールスター映画だが、脚本も演出もいちいちいいところだらけ。新作のほうは見ていないが、なぜこの映画をリメイクしようとするのか、理解に苦しむ。いまはこれの再現など不可能なのに。

これが終戦後22年間たってからつくられたのも、考えてみたらぎりぎりのタイミング。あまり年をとるとできないこともあるだろうし、笠智衆なんか、あまり枯れておらず、いい味が出まくっている。

この映画が50年前の日本映画。いまはどうにもならないわ。