ノンフィクションW ユーリー・ノルシュテインの話の話

「ノンフィクションW ユーリー・ノルシュテインの、話の話。 〜アニメーションの神様 終わらない挑戦〜」、WOWOW、2017.6.24


WOWOWのノンフィクション番組。これはすごいでしょ。

ノルシュテインの作品紹介は少しだけで、ほとんどは、製作中の「外套」のプロセス。ほぼ一人でやっている。2001年時点で26分くらいしかできてない。「外套」なんて、大して長くないんだからやればできるでしょうと思うが、このやり方ではできないわ。しかも本人は完璧主義。いつまでたっても終わらない。

ストップモーション作品をこんなに手をかけてやってるというのがすごすぎる。もう完成が目的というよりは(本人はそう言ってるが)、1秒1秒撮ることが目的なのでは。途中で美術監督だった奥さんが大病になったり、いろんな場所に出ていって話をしたり(このドキュメンタリーの撮影もそう)、作品には関係ない事件がどんどん起こるので、作品が進まない。

映画監督のソクーロフが出てきて、2人で、ワインを飲んで話をしている。ソクーロフは、国の援助を受けろと言っているのだが、ノルシュテインは資本主義の政府からは何ももらわないと言っていて、頑固じじい。

この人の生活はどうやっているのかといえば、週に1回、自分のスタジオで物品販売会がある。そこの販売収入でやっている。この撮影の回では、14万円売れたと言っている。もう宗教と変わらない。

この人自身が、アニメ監督というよりは、聖人みたいな存在。こんな人が現代に生きているということ自体がすごすぎる。