パディントン

パディントン」、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ニコル・キッドマンほか出演、ポール・キング監督、2014、イギリス、フランス


くまのパディントン」シリーズの実写映画。しかし、これはダメ。

舞台は現代のロンドン。ストーリーはほぼオリジナルで、パディントンが駅で拾われた後、いろいろと面倒を起こして、家出。博物館の剥製係(ニコル・キッドマン)にねらわれて、危なく剥製にされかかるが、ブラウンさん一家に助けられて家族の一員になるというおはなし。

まずパディントンの造形。着ぐるみではなく、コンピュータ制作。しかし、絵本のキャラクターならいいけど、実写映画で、クマが二本足で歩いているのはやっぱりおかしい。表情もつきすぎ。あと、声優(ベン・ウィショー)もあまり合ってない。

一番問題なのはストーリー。基本的に「パディントン」シリーズは、パディントンがむちゃくちゃなことをして、それがなぜかいい結果になって、よかったよかったというおはなしのパターンでできているが、これはパディントンを主役にしたアクションもの。ニコル・キッドマンの剥製係は、あまりシャレにならない。ブラウンさん一家がパディントンに対して必死になっているのも、何か違う。特におとうさんのブラウンさんが本気でパディントンを追い出そうとするのはちょっと・・・。バードさんはまだいいが、ブラウンさんの奥さんもちょっと原作からずれすぎ。

このほのぼの童話を90分尺の子供アクション映画にしようというのはむり。子供の頃にこの本に親しんだ者にはついていけない。この映画のおかげで原作を読んでみようという人が増えればいいけど。