ファントマ危機脱出
「ファントマ危機脱出」、ルイ・ド・フュネス、ジャン・マレー、ミレーヌ・ドモンジョほか出演、アンドレ・ユヌベル監督、フランス、1965
ついついまた見た。数年おきに見ても、ぜんぜんおもしろさがあせない映画。以前は吹き替え版が見たいと思っていたが、これを見ると、ジューブ警視のルイ・ド・フュネスの声は熊倉一雄に非常に似ていて、つまり滝口順平がオリジナルの声を上手にあてていたということ。だから、字幕版でまったく問題ない。
あらためて思うのは、アクションのすごさ。いろいろ編集はしているにしても、車、バイク、鉄道、ヘリコプター、船、潜水艦、クレーンまで何でも出てくる。そして、ひとつひとつのアクションが完成度高い。特に、ブレーキのきかなくなった車がバックで山道を降りていくところ、この車が対向車とガンガンぶつかって、フレームだけになっていくところは、迫力すごい。007シリーズより、こっちのほうがより深いところに届いていると思う。
そしてファントマの部下の戦闘員が、結構強い。仮面ライダーのように、戦闘員の上に怪人がいるというものではないので当然だが、ファンドール(ジャン・マレー)が暴れても、戦闘員をやっつけることができない(当然、両方共、素手)。ファンドールはぜんぜん弱くはないのだが、それでもこうなる。ファントマ自身は格闘はしない(ジャン・マレーの二役だから無理なのだが)ながら、悪の強さが際立っていて、いい感じ。
ルイ・ド・フュネスが潜水艦の上に降りたのはいいが、潜水艦がそのまま潜水してあわてるところと、クレーンで吊り下げられてじたばたするところ、ファントマのモンタージュを作っているとルイ・ド・フュネスの顔になってしまうところは、本当に笑える。
ファントマシリーズは、DVDがあるのに、サントロペシリーズはDVDないのだ。それがまたざんねん。