時をかける少女(1983映画版)

時をかける少女」、原田知世高柳良一尾美としのりほか出演、大林宣彦監督、角川春樹事務所、1983


これも封切り時には見ていない映画。アニメ版は見たが、やはりこの最初の映画版はちゃんとできている。

セーラー服と機関銃」とは違って、ちゃんと原田知世が映りまくっているアイドル映画。共通点といえば、主役がかわいくないように撮影されているということ。原田知世は、全然美人でない。むしろ年をとった今のほうがきれいに見えている。

しかし、この映画は原田知世が全部持って行っている映画。演技が特別うまいわけではなく、顔もかわいくないのに、顔でいえば、同級生役の津田ゆかりのほうが断然かわいいのに、原田知世でもっている。アイドル映画だから、そういうもの。

大林宣彦映画の独特の演出で、ロケ地は尾道、やたら静止画や特殊効果(今の水準では稚拙)を多用していて、「HOUSE」や「さびしんぼう」と同じ。しかし、この映画はそれで成り立っていて、全然問題なし。

自分は尾道は何度か行っているので、尾道をよく撮っていることには感心するが、この映画を見ていた客は尾道のことなんか知らないだろう。それでも尾道の古い田舎の町並みが、どんなにこの映画を引き立てているかわからない。これが東京や京都では、ファンタジーにはならないだろう。今映画のロケ地をたどれるのも、尾道だから。

アイドルはどういうものか、いろいろ勉強になった。原田知世すごいわ。