ゾンビ・マニアックス

『ゾンビ・マニアックス ジョージ・A・ロメロとリビングデッドの世界』、徳間書店、2014


またすばらしいゾンビ本が出た。ゾンビ映画を、ジョージ・A・ロメロ作品にほぼ絞って掘り下げている本。

ロメロの初期三作、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」、「ゾンビ」、「死霊のえじき」は、特別ていねいに紹介。中でも2作目、「ゾンビ」の紹介がすばらしい。実際に、ロケ地になったショッピングモール「モンローヴィル・モール」の写真と平面図がある!このショッピングモールが建てられた経緯や、改装についても書いてある。改装されても、基本的な建物の構造と配置は同じ。ゾンビファンの聖地だ。

それだけでなく、企画、脚本、公開のいきさつ、音楽の分析、特殊メイク担当のトム・サヴィーニの記事、「ゾンビ」日本公開時の宣伝イベントとして、大駱駝艦の団員がゾンビのメイクをして日比谷公園から銀座の映画館まで練り歩いたイベントの記録やら何やら、いろんなことが載っている。

「ゾンビ」もの映画もちゃんと記事があって、「悪魔の墓場」(1974)が出ていたのがありがたい。自分が最初に見たゾンビものは、この映画で、とにかくふるえあがるほど怖かった。

もちろん、2000年代になってからロメロが作った「新:三部作」も、ひととおり紹介。自分は、「サバイバル・オブ・ザ・デッド」は見てなかったわ。

ロメロ作ゾンビもののリメイク作品、ゲーム、日本での「ゾンビ」ソフト化事情、アメリカの初期三部作のロケ地めぐりなど、お腹いっぱいでもこれでもかと詰まっている。

ロメロのゾンビもののソフト一覧が最後についていた。安いなー(「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は3800円)。買いたいけど、一人で見るのはコワイ…。