海底調査でよみがえるD-Day 後編

「海底調査でよみがえるD-Day」 (後編)、NHKBS1、2014.6.5


この回の見どころは、連合軍がノルマンディーの砂浜にかけた、仮設の埠頭。この鉄製の埠頭があったから、上陸部隊が海岸堡を確保した後で、物資を円滑に揚陸させられたのだ。

長大な埠頭を、干満の差が大きく、波が荒い海岸に固定できるのかということが問題だが、知恵を働かせて、うまく固定してある。多少は揺れてもひっくり返ったりしないようにきちんと構造ができている。3ヶ月でノルマンディー海岸から250万人が上陸したのだ。

揚陸艦船を攻撃しようとして逆に撃沈されたUボートの残骸も沈んでいる。1944年の年末にUボートに沈められた連合軍の輸送船も。輸送船に乗っていた元兵士が水中ロボットからの映像を見ながらコメントしている。この船の人員だけで800人が海の藻屑。

4日間、D-Dayもののドキュメンタリーを見て、かなりお腹いっぱい。しかし、防備された海岸に大部隊を強襲揚陸することが、どれだけの難事業なのかということはよくわかった。米英側が今に至るまで自慢するのも道理。

とはいえ、ソ連またはドイツ側から見れば、事態はまるっきり違っているだろう。そのあたりも含めて明らかにして欲しかったが、まだそういうことができる時期ではないのかもしれない。