アイスマン 5000年前の男は語る

アイスマン 5000年前の男は語る」、NHK、2013.4.13


NHKでやっていた、アルプスの冷凍ミイラ、アイスマンの調査番組。録画したものを今頃見た。

アイスマンって、もっと昔に見つかっていたはずでは、と思っていたら、遺体を解凍してサンプルをとって調べたのは最近のことでした。

瞳は茶色、胃の内容物からはパンらしきものがわかり、体に入っていたのは煤で入れた入墨。これは全部、鍼灸治療のツボの位置に入っていた。しかも体には治療が施された痕跡があり、5300年前のヨーロッパにも高度な医療技術があったことがわかった。

遺体は冬山登山に耐えられる装備を持っていて、死因は凍死だと思われていたが、左肩に鏃が埋まっていたので、生贄として死んだのではないかと思われていた。マチュピチュ遺跡で見つかったミイラと同じ。アイスマンが見つかった山麓には、同時期の石碑に背中から矢を射られる人の姿が描かれていた。

しかし、遺体からは植物の花粉が見つかったことで、アイスマンが死の直前、山中を激しく動いていたことがわかった。そこでアイスマンは殺害されたと考える説もあった。

調査の結果、脳から取り出された検体で、後頭部に出血の跡があることがわかり、さらに右目の上の傷が強打されてできたこともわかった。これで、アイスマンは殺害されたという説が有力になった。鏃だけが残り、矢が抜き取られていたのは、矢の特徴から犯人がわからないようにするためだったらしい。

遺体の調査から謎解きするプロセスがおもしろい。5300年前で、中東の文明地域から遠く離れたアルプスでも、高度な社会生活があった。この調査もいずれ本になると思うので、これはたのしみ。