新国立劇場 タンホイザー

ワーグナータンホイザー」、新国立劇場、2012.1.30

(指 揮)
コンスタンティン・トリンクス
(演 出)
ハンス=ペーター・レーマン

【領主ヘルマン】クリスティン・ジグムンドソン
タンホイザー】スティー・アナセン
【ヴォルフラム】ヨッヘン・クプファー
【ヴァルター】望月哲也
【ビーテロルフ】小森輝彦
【ハインリヒ】鈴木 准
【ラインマル】斉木健詞
【エリーザベト】ミーガン・ミラー
【ヴェーヌス】エレナ・ツィトコーワ

【合 唱】新国立劇場合唱団
管弦楽】東京交響楽団

新国立劇場タンホイザーを見た。冒頭、霧がかかったような舞台に、ガラスというか、巨大なプラスチックのような半透明の柱がせり上がってくる。これがヴェーヌスブルグ。この公演は、序曲の後にバレエがついている。つまりパリ版。パリ版の上演を見たのは初めてだったので、それはよかったが、はっきりいえばバレエはなくてもよし。というか、余計だ。この劇場はバレエダンサーを簡単に調達できるからいいのだろうが、この版があまり上演されないのも納得。

歌手でよかったのが、ヘルマンとウォルフラム。ヘルマンはかなり声が出ていたし、ウォルフラムは夕星の歌をきれいに歌えていた。

タンホイザーは顔はきれいだが、とても背の低い人でヘルマンやウォルフラムに比べて頭一つ低い。声はきれいだが、声量が今ひとつない。やや残念。

エリーザベトは、これも声はきれいだが、2幕冒頭の「厳かなこの広間よ」で、失敗していた。これはちょっと残念。

1番良かったのは、何気に合唱隊。「歌の殿堂をたたえよう」は非常にかっこよかった。最後の巡礼の合唱もきちんと決まっていて、これで舞台はかなり締まったと思う。新国立劇場の非常に奥行きのある舞台をうまく使って、大人数の合唱をちゃんと転がしていた。

演出はそういう意味でなかなかかっこよく、歌合戦の場面もドラマチックになっていた。タンホイザーの出来がよければ申し分のない舞台だったと思うが。