邦画を彩った女優たち 室井滋

「邦画を彩った女優たち」、「室井滋 しげちゃんと私の居場所」、NHKBSプレミアム、2012.12.38


去年の年末にNHKBSで放送されていた、室井滋のドキュメンタリー。

子供時代から話が始まっているが、両親が離婚、父親、祖母と住むようになるが、父親は呑んだくれて、再婚したが失敗してまた離婚、祖母はボケてしまい、相当きつい少女時代だったという。

大学に行ってから自主映画に出まくっていたが、その1本が映っていた。監督は山川直人。ちょっとしかやっていなかったが、内容はいかにも学生が小難しいことを言って撮影しましたという感じのもの。大学にいる間に「風の歌を聴け」に出ているので、ここまではうまくいっているようだが、そのままとはいかない。

大学在学中に父親が死去。仕送りがなくなって、バイトばかり、キレイではないのでオーディションには落ちまくりの厳しい生活が続いたという。文章の執筆も、売れない時代にバイトとして始めたと言っている。

そのあとで同居している(とは直接には番組中で言ってはいないが)長谷川和彦のインタビュー。はっきりいって、長谷川和彦、非常に偉そう。「あいつの父親がわりにいてやっているんだ」みたいなインタビュー。室井滋は、「あまり年の離れた人はかんべんと思っていたが、結局そういうことになっちゃった」みたいなことを言っている。

「居酒屋ゆうれい」「のど自慢」「OUT」「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」などの出演作品が紹介されるが、本来なら、「やっぱり猫が好き」が当然出てくるべきじゃないの?他局の製作だから放送できないのか?このへんはよくわからない。実は「居酒屋ゆうれい」以外は見ていないので、よくわからないのだ。しかし一番よさそうだったのは、「人の砂漠」(2010)の老女役である。これはけっこう鬼気迫る役。

最後は、本人が「何という女優になりたいというのではなくて、誰かになれるというよりは自分自身にほんとになったのかどうかと考える」と言っている。この世界で生き残ってきたのは相当にたいへんだったのだろうということがうかがえる。