孫文の義士団

孫文の義士団」、ドニー・イェンレオン・ライニコラス・ツェーフー・ジュンほか出演、テディ・チャン監督、中国、香港、2010

20世紀初頭の香港。日本から帰国する予定の孫文に対して、西太后の暗殺指令が出て、500人の暗殺団が香港に向かう。それを知った中国革命同盟会の側は、孫文を守るために義士団を組織する。

香港警察のチョンヤン(ドニー・イェン)は、清朝側にカネで雇われているのだが、別れた妻から同盟会の香港支部長(レオン・カーファイ)を守るように頼まれる。革命側は、孫文を守るために替え玉を立てることにするが、孫文が同志と革命のための会議をしている間、嵐のように襲ってくる暗殺団と、替え玉を必死で守ろうとする義士団の決戦が…というおはなし。

清朝末期の香港は巨大セットで再現されていて、これが見物。建物の間を孫文の替え玉が乗る人力車が疾走し、そこに暗殺団が襲ってくる。孫文が会談をしている1時間のあいだの決戦で、義士団のメンバーは次々と倒れ、時間内に替え玉を守れるかどうかの瀬戸際に向かって話が進んでいく。

前半で義士団のメンバーひとりひとりの人物像のエピソードを積み上げていき、後半でそのひとりひとりが死んでいくところをていねいに映すという構成。義士団がひとり死ぬと、名前と生没年のテロップが出て、それが義士の墓碑銘になる。この辺が革命のためにすすんで命を投げ出す義士の姿と中華ナショナリズムが重なりあって中国人の涙腺を絞らせているわけね。時代劇、群像劇の王道を行く映画。