木下大サーカス

木下大サーカス 広島公演」、2011.7.17

サーカスを見にいくのはほんとにひさしぶり。はるか昔、15年以上前に上海で上海雑技団の公演を見たっきり。いきなり行った理由は、この公演はもともと19日までの予定だったのが、台風が来るというので17日で打ち切りになってしまうという話を新聞で見たから。まあ、思いつきです。

場所は西区の商工センターからけっこう離れたところに、このサーカスのトレードマークみたいになっている赤いテントが張ってある。車で行ったのだが、この赤いテントは目立つのですぐわかる。チケットは、いちばんステージに近いリングサイドの席は売り切れだったが、それ以外の場所は公演1時間前でもけっこう余裕があった。安い自由席でもよかったのだが、ステージ正面の「ロイヤルブルー」という、自由席の値段プラス1200円のチケットを買って入った。これは正解。というのは、ほとんどのショーは正面に向けて行われる上に、空中ブランコはネットを張る都合で、横からしか見られない自由席だと見にくいのだ。

ショーは全部で2時間弱。途中で15分の休憩が入る。ショーは長いものでも10分ちょっとでどんどん内容が変わり、ぜんぜん飽きない。サーカスなので子供や家族連れが多いのだが、これは基本的に大人のための娯楽だと思う。演技者の動きのなめらかさ、そんなに広くないテントだが高さをうまく使ってたくみに演出されているところ、場面転換でピエロが活躍していて、途中でだれないようになっているところ、いろんなところがきちんと計算されている。チケットには3800円払ったのだが、この値段はショーの内容を考えれば、非常に安い。途中で寝ちゃうような劇団の芝居が5000円だの、9000円だのというお金を平気で取ることを考えれば、客を楽しませることに特化したこの舞台は、ずっと安いお金で完成度の高いショーをみせているのだ。

オープニングの、天井から垂らしてある布を使った曲芸から、かなりひきつけられる。動物を使ったショーは4種類。シマウマ、キリン、ライオン、ゾウ。ライオンのショーが目玉になっていて、時間も長いのだが、ライオンはそんなにサービス精神旺盛ではないので、自分としてはゾウのショーがおもしろかった。ゾウはとってもまめに芸をするのである。それにキリンなんて、どうやって公演会場に運ぶのかと不思議に思っていたら、狭いケージに入れてトレーラーで運ぶそうだ。キリンにとっては、おとなしく移動することがいちばんの芸なのだという。

球形のカゴのなかでオートバイがくるくる回るショーや、ハイライトになっている空中ブランコはもちろん楽しかったが、個人的にいちばん点が高いのはピエロ。客をつかまえてリングに引き出していろんなことをしてもらうのだが、あしらいがうまい!笑いの取り方もさすが。ショーマンシップにあふれている。ピエロはやっぱりサーカスのかなめだなー。

とにかくあっという間に時間が過ぎた。全国を巡回しているショーで、次の公演は松山、その次は香川らしい。また広島に来てくれるといいな。