ブラタモリ 横浜 港湾編

ブラタモリ」 「横浜 港湾編」、NHK、2010.12.2

先週放送のブラタモリ。いまの横浜港に密着するという回。これはおもしろそうだと思ったらやっぱりアタリだった。案内人は、横浜みなと博物館の副館長という人。最初の撮影場所は山下公園

そこから山側に坂をのぼっていくと、昔「水屋敷」といわれた開港当時の移籍があるという話。ロケスタッフがみんな映っているが、やたら人数多し。15人くらいいる。さすがNHK。マンホールのフタを開けて、地下8メートルのところにカメラが潜っていくと、地下には煉瓦造りの貯水池らしきもの。ここは昔船舶用に飲料水を売っていた給水会社の貯水施設だったとのこと。これも関東大震災で潰れてしまい、昭和の終わりになってからやっと発掘されたらしい。

一行はコンテナ船の埠頭へ。本牧ふ頭BCコンテナターミナル。コンテナの種類紹介と、コンテナのおかげで昔は二週間かかっていた荷役作業が今では6時間ですむようになったそうだ。船は港に接岸している時間分料金を払っているので、荷役をなるべくはやくすませてさっさと出て行くらしい。

そしてガントリークレーンの操縦室へ。地上50メートル。クレーンの操縦室はクレーンといっしょに動き、下が見えるようにスケルトンになっている。高いし揺れるし、慣れていない人にはかなり怖そう。クレーンの操作は自動でやっているのではなく、全部操作員が目視、経験でやっているというのがスゴイ。慣れるまで5年かかると言っていた。昔、タモリ倶楽部でクレーン学校で教習を受ける回があったが、このクレーンは大きさも高さも段違いなので迫力が・・・。

クレーンは手作業だが、コンテナ管理はターミナルで集中管理されていて、コンピュータの画面上にコンテナの位置がぜんぶ出るようになっている。部屋にある時計は24時間計。これもかっこいい。

コンテナターミナルの近くは、人はぜんぜん歩いておらず、いるのはトレーラーやタンクローリーばかり。しかし、近くには漁港もあり、「本牧漁港」の看板の中で、小さい漁船がたくさん接岸している。太刀魚、エボダイなんかがたくさんいた。横浜港が漁場になっていたとは知らなかった。このへんの太刀魚は大きいらしい。

次に一行は赤レンガ倉庫へ。港は陸側は裏口で、海側が表口だから、表から見なければいけないと力説するタモリ。歩いて「旧横浜港駅プラットホーム」の跡地へ。東京駅からこの駅まで列車が直通していて、ここからじかに船に乗っていたという話。CGで昔の旅客埠頭のようすがあっという間に再現される。さすがNHK

それから貨物駅の「本牧埠頭駅」に到着。駅長さんはヘルメットに作業着姿で登場。ここはJR貨物ではなくて「神奈川臨海鉄道」という会社になっている。タモリは「JR貨物時刻表」をちゃんと持ってきていた。この駅を出発する列車は一日2本。遮断機はないが、ちゃんと踏切の警報機はある。機関車が到着して、コンテナ列車と連結するシーンもちゃんと撮られていた。さすが。

そして駅長から「添乗してみましょう」とのお言葉が。これはうらやましい。タモリは非常にうれしそう。この企画はそうそう簡単にはできないから、それはそうだろう。次の横浜本牧駅まで1.2キロの行程を5分ほどで到着。「ちょい前、ちょい前」「とまーれ、とまーれ」という言い方が独特でこれがまたそそる。横浜本牧駅は、広いコンテナヤードが広がっているところ。そして、駅構内の格納庫を開けると、中にはC56蒸気機関車が。昭和40年まで実際に営業運転しており、その後も教習用に使われてきたが、その後この駅で静態保存されているのだそうだ。この駅に蒸気機関車があること自体、めったに知る人はいないらしい。タモリは汽笛のレバーを引っ張って、汽笛の口まねを(笑。しかもディーゼル機関車で、SLを実際に引っ張っている。ここまでやってくれるのはすごい。

タモリは鉄道と船を満喫して非常に満足したようだ。今回は非常によかった。貨物駅いいわ。とりあえず今度貨物時刻表は買わなくては。