観音湯

「観音湯」、広島市西区東観音町21-9

銭湯めぐりは、寒くなるとバイクが使いづらくなるので、少し涼しいくらいの時期にたくさん回っておくのが吉。これが去年の銭湯スタンプラリーの教訓。車で行かなければならないことになると、駐車がめんどうなのだ。銭湯は駐車場が少ないし狭い。しかも場所がわかりにくい(通行人に聞いても知らないことがよくある)ので、車で行くとたいへんだった・・・。

この「観音湯」も、一方通行だらけの道に面していて、車で行くとめんどうなことになりそう。もっともうちからはバイクで余裕で行けるし、歩きでも行けないことはないので問題なし。ここは面積はそんなに広いわけではないのだが、浴槽はふつうの浴槽のほかに、電気風呂やジェットバス、泡風呂があり、石をモルタルで固めて岩風呂のようなギミックを作ってある。

それから、小さいがスチームサウナあり。温度はあまり高くないが長く入っているとじわじわと体温が上がってきてたいへんありがたいのである。もっとも水風呂はないので、からだを冷やそうと思ったら桶で水をかぶるしかない。

ここはめずらしく、タイル壁にペンキで絵が描かれている。風景は、海岸に洋風の家が建っているというどこかよくわからないもの。広島の銭湯でペンキ絵があるのは現在ここだけ(タイルモザイクはのぞく)。

実は一昨日行ったのだが、そのときにかみそりをケースごと置き忘れてきて、取りに行ったらちゃんと取っておいてくれた。ついでに番台のおばちゃんと話してきた。おばちゃん、けっこう話し好きでよくしゃべるしゃべる。

おばちゃんがこの銭湯にヨメに来たのが昭和27年。その後昭和42年に改装したといっていた。昭和42年だって、いまから40年ほど前ということになる。おばちゃん、いくつですか。ペンキ絵はたびたび描き直しているそうだ。去年地元のテレビ局が取材に来たが、自分は音声だけしか入らなかったとぼやいていた。この番組は広島ホームテレビの深夜番組で2週連続市内の銭湯を取り上げていたので、見たよといったら、おばちゃん、うれしそうにしていた。

「いつまで続けられるかわからないが」というのは銭湯をやっている人たちが共通して口にすることだが、ここのおばちゃんも言っていた。市内の銭湯は最近改装されている数件と、繁華街にある音戸温泉を除けば、10年くらいでほとんど壊滅しているだろうと思う。1年に1回と言わず、行けるうちになるべくまめに行っておかないと、いつなくなってしまうかもしれないのだ。