百合祭

「百合祭」、吉行和子ミッキー・カーチスほか出演、浜野佐知監督、百合祭上映委員会、2001

老人のセックスを扱った映画。69歳以上の老嬢ばかりが住んでいる古い洋館に、75歳だが女あしらいがうまく、見た目もイケてるミッキー・カーチスが引っ越してきてから、女たちはミッキーをちやほや。

吉行和子もついついミッキーに部屋に入ってこられてしまい、男女関係に。この場面は、セックスシーンそのものを描いていないが、非常に上手にエロさを出すことに成功している。まあ、浜野佐知はポルノのベテラン監督なので、そのあたりはスキがない。

ところが、ミッキーは、アパートの老嬢たちのほとんどを口説いて男女関係になっていたことがバレてしまい、住人たちからつるしあげを食うことに。しかし、ミッキーはみんなの追及を巧みにかわしてしまい、老嬢たちもなんだかんだいって、貴重な男を手放せないので話は元にもどってしまう。

しかしその後にオチがあり、老嬢たちが積極的にミッキーを求めるようになる一方、吉行和子は、同じ住人の白川和子と関係をもつことになるのでした(ここは描写はなし)というおはなし。

基本的に、吉行和子の美貌(撮影時は66歳か)とミッキー・カーチスのかっこよさ(こっちは63歳)を前提として成り立っている映画だと思うが、老嬢たち(正司歌江、白川和子、中原早苗原知佐子大方斐紗子)らのやたら元気な様子のおかげで、じめじめした感じになっていないところはおもしろい。

年を取っても吉行和子くらいきれいな人はそれなりにいると思うが、ミッキー・カーチスのように軽くて、女の扱いがうまく、それでいて憎めないタイプの男はなかなかいないだろう。そういう男がいないともっとドロドロしてしまうのだと思うが、これはすなおに楽しめた。