ガルシアの首

ガルシアの首」、ウォーレン・オーツ、イセラ・ベガほか出演、サム・ペキンパー監督、アメリカ、1974

これもたいへんひさしぶりに見た映画。昔、どこかのさびれた名画座で3本立ての最後の1本だった。

メキシコの大地主の娘が妊娠した。娘を締め上げて、妊娠させた相手がアルフレッド・ガルシアだと聞き出した大地主は、ガルシアの首を持ってきた男に100万ドルやると言い出す。大地主の部下が、ガルシアを求めてメキシコシティーに飛ぶ。

メキシコシティーのバーで、ピアノ弾きのウォーレン・オーツがガルシアのことを尋ねられる。ウォーレン・オーツは、情婦のイセラ・ベガから、ガルシアがすでに事故で死んでしまい、墓に埋められていることを知る。その後大地主の部下のところに行き、ガルシアの首を1万ドルで売ることを約束。

首を求めてガルシアの墓に急ぐウォーレン・オーツとイセラ・ベガ。途中で襲ってきたチンピラを射殺、首を掘り出したところでオーツは後ろから殴られ、気がついたら、イセラ・ベガは死んでいて、ガルシアの死体には首がない。オーツはすぐに自分を襲った連中を射殺。首を取り戻す。

しかしもはやオーツにとって金は問題でなくなっており、後はひたすら関係者を撃ち殺し、この企画を命じた張本人を捜すだけ。ハエがぶんぶんたかった首を布袋にいれて持ち歩き、首を取り返そうとするガルシアの一族、殺し屋、大地主の部下と、どんどん殺していき、飛行機で大地主のところへ。すごい臭いがするはずの首をどうやって飛行機に持ち込んだのか?という疑問はともかく、ともかく大地主のところに到着。

大地主のところでは、妊娠させられた娘の子供が生まれたところで、大地主は孫ができるわ、首が届くわで大満足。オーツは100万ドル入りのカバンを渡されるが、護衛を射殺。大地主に銃を向けるオーツに、娘は「殺して」と一言。それで大地主も射殺。

首と100万ドルをもって逃げようとするオーツだが、当然そんなことができるわけもなく、門のところでオーツの車は大地主の部下達に蜂の巣にされるのでした・・・。

この状況で相手だけ撃ち殺すというのはありえないでしょ、という状況でも、オーツの銃弾は1発必中。オーツは拳銃しか持っていないのだが。オーツの怨念が弾丸にこもっているのか、とにかく当たる当たる。まるっきり見た目も中身もしょぼい男のオーツが、ハエのたかった首の袋をぶら下げてうろつく異様さが強烈。オーツの歩くところ、死神のご加護があるのか、とにかく人が死にまくり、オーツは生き残る。ラスボスを倒した後は、オーツも当然のように死ぬ。人が死ぬのにたいした理由はいらないなあ、ということを再認識させられる映画。