ジャッジ・ドレッド

ジャッジ・ドレッド」、シルヴェスター・スタローンアーマンド・アサンテほか出演、ダニー・キャノン監督、アメリカ、1995

スタローン版の「ロボコップ」だが、結局「ランボー」味になって終わり、というもの。原作はイギリスのコミックらしく、タイトルバックにコミックの絵が出てくる。

核戦争後の未来の地球が治安の悪化で、「ジャッジ・システム」という珍妙な法制度を作っていた、という状況設定はおもしろい。一人で逮捕、裁判、刑の執行、全部やってしまう「ジャッジ」が支配する社会になっているというもので、スタローンが昔の騎兵か士官学校の生徒みたいな派手派手な服を着て"I am the law." といいつつ、なんでもやってしまうところはなかなか気持ちいい。

「ジャッジ評議会」の陰謀を暴こうとしていたジャーナリストが殺され、スタローンはその罪を着せられて終身刑に。護送機が撃ち落とされて脱出した後、真相を知ったスタローンは、悪の本家と対決・・・という話になるのだが、この後半がいまいちつまらない。ロボコップに出てきたオムニ社のロボットそっくりの悪者ロボット等、よその映画でやっていたネタの継ぎ合わせ。スタローンは、制服を脱いで上半身シャツ一枚で悪と戦うので、ランボーと区別つかない、クローン技術で作られたスタローンのクローン兄弟で悪の本家のアーマンド・アサンテは、スタローンのクローンなのにまるっきり似てない(笑)、その他、失笑ものの場面が続出。クローン実験が失敗したできた片割れが悪者という設定もあまり生きていない。最後にダイアン・レインがスタローンにキスするところもなんだかなあという感じ。

スタローンがこの年のゴールデン・ラズベリー賞というのも、まあ納得。