人生デザイン U-29 銭湯店長

「人生デザイン U-29」、「銭湯店長」、NHKEテレ、2015.11.18


若者の仕事を紹介する番組。この回は銭湯経営者なので見た。京都の銭湯「サウナの梅湯」だ。ここの店長はツイッターをやっているので、知っている人は知っている。25歳の若い人。

まず、薪に火をつけるところから。コストは重油の3分の1と言っているが、手間が大変だ。開店資金500万円のうち400万円は親からの借金と言っている。えらいことだわ。

しかも風呂屋の仕事は肉体労働。きつい。ここの銭湯は廃業するというのを経営者として引き取ったのだ。単なる義侠心。銭湯は、最盛期に全国に2万軒あったものがいまは4000軒だという。いまも銭湯はガンガン減っているし。

午後3時30分開店。客は来ているが、一ヶ月の経費50万円。借金の返済もあるので、一日60人客を取る必要がある。人件費抜きで、一日に客が40人を切ったら赤字。いい日は70人来るが、これをキープすることがたいへん。店長の給料としての取り分は1ヶ月5万円。

銭湯の2階は廃屋状態だが、空いているので、活用しようとしている。しかしまだアイディアはない。一番苦労していることは施設老朽化。設備の更新には多額の費用がかかるので、これは厳しい。煙の流れが悪いので、煙突掃除。これも素人が手作業でやるのだ。煙突掃除をしていないと、すぐに灰がつまる。しかも煙突に穴があいている。

なじみの銭湯の主人に聞くと、煙突の穴は車のマフラー用のパテを塗って埋める。これで費用は助かった。春と秋は客が少ない時期なので、経営は厳しい。しかし収入が減っても、仕事の量は変わらないのだ。

閉店の11時前に、掃除をしてくれるボランティアの人が来た。近所の人がただで手伝ってくれる。これがないと1人でやるのだから、つらい。

さらに集客対策も必要なので、パンフレットを作っている。1万部印刷したということなので、けっこうな投資。これを近所の外国人客用の旅館やゲストハウスに置いてもらうのだ。道に迷った外国人客に配ったりもしている。

銭湯を1人で切り回すのがどれだけ大変か、ちょっとのぞいただけだが、これは厳しいわ。銭湯が潰れまくっていることも当然。うちの近所もいつまでもつことか。