脱走四万キロ

「脱走四万キロ」、ハーディー・クリューガーほか出演、ロイ・ウォード・ベイカー監督、イギリス、1957


ずっとむかしに見たような記憶があるのだが、今回見ると、ほぼ覚えているシーンがない。見たと思っていたこと自体が錯覚かもしれない。

ドイツ軍人の脱走もの。実在の人物フランツ・フォン・ヴェラ(実名で出てくる)が、イギリス上空で撃ち落とされ、しつこく脱走を重ねて最後はドイツに逃げて帰る話。

この映画では、脱走は3回あったことになっている。最初は捕虜の運動中に、石垣に隠れて脱走。これは山狩りされて逮捕。2回目は、収容所からトンネルを掘って脱走。これは飛行場まで行って、英軍の飛行機を奪って逃げようとするが、飛ぶ寸前に捕まって逮捕。

3回目はとうとうカナダに送られることになり、カナダ領内を走っている列車の窓から飛び降りて脱走。雪の中を川を越えてアメリカ(当時は中立国)に逃げ延びる。

その後メキシコからブラジル、スペイン経由でドイツまで逃げ帰り、再出撃するが、撃墜されて行方不明になったことは字幕に出るだけ。

ハーディー・クリューガーがまだ20代の頃の映画で、とにかく若い。「シベールの日曜日」よりまだ若い。ちょっと子供っぽい顔立ちでいい感じ。飛行場で飛行機を奪って逃げようとする場面はかなりいい感じ。

大脱走」を見ているとこっちが地味に感じるが、お金をかけずに上手に作ってある。最後がいい話で終わらないのもよいところ。