威風堂々クラシック in Hiroshima 広島国際会議場

「威風堂々クラシック in Hiroshima」 広島国際会議場フェニックスホール、2014.11.30


コープランド   「市民のためのファンファーレ」

バーンスタイン  「キャンディード」

ジョン・ウィリアムズ   「スター・ウォーズ

アーヴィング・バーリン  「シンフォニック」

モーツァルト   「3台のピアノのための協奏曲」

ドヴォルザーク  「交響曲第9番」第2、第4楽章

ホルスト     「惑星」より「木星

エルガー     「威風堂々第1番」


ピアノ 伊藤恵、保屋野美和、大植英次

指揮:大植英次 広島心音ブラスバンド、広島心音オーケストラ


これはこの一連のイベントの締めとして、コンサートホールを使ってやったコンサート。伊藤恵をちゃんと連れてきているからえらい。モーツァルトの協奏曲は、この3台のピアノのための版は、はじめて聞いた。この曲と、エルガーは全曲やったが、あとは抜粋。

オーケストラの楽員が出てきたのをみてびっくりしたが、ほとんど子供だ。高校生か中学生くらい。制服で出てきている。コンマスも子供とは言わないが、大学生くらいの年。もちろん全部が子供や若者ではなくて、チェロやコントラバスには成人もそれなりにいるが、基本的にユース・オーケストラ。

当然急造のオケで、練習もろくにできなかったに違いなく、演奏はそれなり。しかし、それにしてはよく鳴っていた。大植英次は「2日でここまでやった」と言っていたが、ほんとうならたいしたもの。

バーリンは、ホワイト・クリスマスやら、ショウほど素敵な商売はないとか、何曲かをメドレーで演奏していたが、大植英次ご本人が変な歌詞を「ゴッド・ブレス・アメリカ」につけていて、「広島は神の町」とか歌っている。そんなこと言ったら、真宗の人が怒るよ。

ついでに「スター・ウォーズ」の前には、「これは遠い宇宙のお話で、これで戦争は終わりということです」とか、わざわざ言い訳していた。スター・ウォーズの演奏でそんなことまで言わなきゃいけないの?気を使いすぎでは?

昨日に続いて、市長の松井一実をまた、ステージに引っ張りだしていた。といっても、ほとんど大植英次がしゃべっていたのだが。広島市勧進元なので、ちゃんと気を使っているということ。

この日の演奏で一番よかったのは、プログラムにはなかったが、福原友裕という人の篠笛の演奏。曲名も覚えていないのだが、これは曲も演奏もすばらしい。篠笛という楽器自体、はじめて聞いたが、一回でひきつけられる演奏。これを聞けただけでも拾い物。

しかし大植英次は、いろんな意味でエライ。この音楽祭の演奏自体もそうだが、企画から、人選から、人の助けがあったとしても、基本は大植英次が段取りをしている。スポンサーをつけたり、客サービスをしたり、市長に気を使ったり、単に音楽がうまいだけではできないこと。

この締めのコンサートも、1000円でやっているのだ。会場を借りて、伊藤恵の交通費を払ったら簡単に飛んでしまうようなもの。しかも客席はほぼ埋まっていた。アマチュアを集めて演奏させれば、家族や友達が来るから集客になるとはいえ、このホールも全部詰めれば1500人くらい入るのだ。アマチュアオケで1000人入れるのだってたいへんなはず。実行力のある人はちがうわ。