林哲司・半田健人の昭和音楽堂 江利チエミ特集

林哲司半田健人の昭和音楽堂」 「江利チエミ特集」


番組冒頭で、半田健人が、「今度30歳になっちゃう」と嘆いていた。半田健人なんか、年をとってつまらなくなる人じゃなくて、むしろ年をとるとますます知識に磨きがかかっておもしろくなるような人なんだから、嘆かなくてもいいじゃないの。まあ、若い人にとっては30歳になると中年の入り口に差し掛かったみたいに思えて悲しいのはわかるけど。

この回は江利チエミ特集。この人も、自分は名前を知っているのと、少数の映画を見ているだけで、歌手としての活躍をほとんど知らない人。

1 ・ 半田健人オリジナルアルバム「せんちめんたる」から 「階段の足音」
2 ・ 「テネシーワルツ」 / 江利 チエミ (1952年・昭和27年)
3 ・ 「カモンナ・マイハウス」 / 江利 チエミ (1952年・昭和27年)
4 ・ 「木遣りくずし」 / 江利 チエミ (1960年・昭和35年)
5 ・ 「新妻に捧げる歌」 / 江利 チエミ (1964年・昭和39年)
6 ・ 「わたしだけのあなた」 / 江利 チエミ (1967年・昭和42年)
7 ・ 「酒場にて」 / 江利 チエミ (1974年・昭和49年)
8 ・ 「満ち潮」 / 江利 チエミ (1982年・昭和57年)


最初は、半田健人の新発アルバムが出たてなので、またそこから一曲。唯一のカバー曲で、森山加代子の曲。森山加代子その人をまったく知らないわ。シングル盤のB面と言っている。聞いてみると、いかにも半田健人が好きそうな昔の曲。

テネシーワルツ」、「カモンナ・マイハウス」は、なんとSP盤だと言っている。そういう時代なのか。さすがにこれは有名曲なので、曲は知っている。しかし、このレコードの発売時、江利チエミはなんと14歳だ。まったく子供の声には聞こえない。歌手として、完成された声だ。さすが大歌手は違うわ。

レコードの盤面に江利チエミの写真がどんと載っていたという。進駐軍向けにジャズを歌っていて、兵士からレコードをもらって、そこから耳コピーで覚えたというのでやはりすごい。

「木遣りくずし」は、ジャズっぽい民謡。「新妻に捧げる歌」は、いかにもな歌謡曲。いずれも歌うまい。

「わたしだけのあなた」はボサノバ。これはブラジルの音楽祭で歌ったもの。本場でよくやるわ。「酒場にて」はもろに演歌。なんでもできるのね。

「満ち潮」は、これが遺作。江利チエミは事故のような死に方をした人なので、遺作とはいえ、元気な時に録音されたもの。森田公一作曲で、しあわせっぽい曲。

早死したとはいえ、活躍し始めたのが早かったから、曲数は膨大。きょうはちょっと片鱗を聞いただけだが、それでもすごさはわかる。