ガメラ3 邪神覚醒

ガメラ3 邪神覚醒」、中山忍前田愛、ほか出演、金子修介監督、大映徳間書店日本テレビ博報堂、日販、1999


平成ガメラの3作目。2作目が非常にいい出来だったので期待してみたら、こちらはそれほどでもなかった。いや、特撮部分は相変わらずいいのだが、肝心の本編部分が…。

ガメラとギャオスが市街地の上でムチャクチャに戦うので、下にいる人がバタバタ死に、それが大問題にという設定がちょっと失敗しているのでは?そんなことを問題にし始めると話はややこしくなるばかり。巻き添えで死んじゃう人は、基本的には運が悪いのだ。こういうややこしい問題を取り込んでしまうのは怪獣映画にはあまり向かないと思う。

新怪獣「イリス」は人間を取り込んでどうのこうのという設定がややこしく、これはあんまりうまく行っているとは思えない。しかし、設定はともかく、この強さはアリ。ガメラとの決戦は、もうちょっとで勝てるというところまでいってた。

京都駅での死闘は、京都駅の駅ビルの中で戦うという発想がよし。ガメラとイリスは駅ビルの中にすっぽり入ってしまっているのだが、京都駅ビルってそんなに高かったのか?と思って調べた。最も高い場所で60メートル。ガメラが少し身をかがめた状態で、天井部分まで少し余裕がある状態なので、これでいいようだ。

京都駅ビルの中で怪獣同士が決闘しているのに、京都タワーと駅ビルの外観がちゃんと形を残しているのは変な気がするが、絵としては見栄えがするから、これでいいのかもしれない。ちなみに東寺の五重塔も燃えずに残っている。

イリスとの決戦に勝った後もギャオスはたくさん残っていることになっているので、これはさらに続編を作る計画だったのか?それともギャオスは自衛隊(と各国軍)が始末するからこれでいいということなのか?実際は平成ガメラシリーズはこれでいったん打ち止めなので微妙なところ。

2作目ほどの爽快感はないが、特撮部分は十分よくできているので、じゅうぶん楽しめる。3作とも自衛隊は元気に活躍しているし。なにより、特撮の樋口真嗣の力は大。これはちゃんと劇場に行っていればよかった。