フリージア

「フリージア」玉山鉄二、つぐみ、西島秀俊ほか出演、熊切和嘉監督、「フリージア」パートナーズ、2006

こちらは映画版。熊切和嘉が監督なので見てみることに。設定は原作から若干変えられている。ヒロシ(玉山)やヒグチ(つぐみ)には、軍の兵器実験に参加してその傷を負っていて・・・ということになっていて、トシオ(西島)はその実験の際にヒロシの上官だったことで、ヒグチが勝手に書類を作ってヒロシにトシオを狙わせる、というもの。単に仕事で淡々と人を殺していく原作の設定が好きなのだが、映画は続きを想定していないので、このくらいの改変は許容範囲か。

執行代理人と標的のバトルは、アクションがさえていて非常によい。玉山鉄二が無表情に正確に標的を撃っていくところはとてもクール。ナポリタンを注文して、細かくタマネギとピーマンを取りのけて食べているところもちょっと病んでいるところの描写として、いい。同僚の溝口(三浦誠己)のイカレっぷりもかなりキテいる。全体に索漠とした暗い雰囲気が漂っていて、原作の世界をよく再現していると思う。

流血場面は映画の半分くらいあるんじゃないかと思うくらい山盛りで、しかも容赦なし。これでもR-12指定というのだから、レーティング指定は暴力シーンには甘いなーと実感。